~作業時間約80%削減 1人作業を実現~
アクティオは、令和7年度 公益社団法人建設荷役車両安全技術協会(以下 建荷協)「考案賞」において、当社社員が考案した「クレーンワイヤー交換治具」が銀賞を受賞しました。

建設現場で使われるクレーンは、安全な運用を維持するために、定期的なワイヤー交換が必要です。この交換作業は、手間と時間を要する重労働で、特にクレーンワイヤーの抜き取り作業では、クレーン操作者とワイヤー引き出し作業者の2人作業で1回あたり約28分の作業時間がかかっていました。今回開発した治具を導入することで、これを1人作業で約9分へと大幅に短縮することに成功しました。
従来の交換方式では、クレーンの操作者がゆっくりとクレーンを下げる操作を行う一方で、もう一人の作業者が常にワイヤーにテンション(張力)をかけ続けながら引き出す必要がありました。テンションが不十分な場合、ワイヤーがクレーンドラム上で乱巻※1 を起こし、機械の破損や大幅な作業時間の延長につながるリスクがあります。また、深刻な問題として、ワイヤーエンド※2 に曲がりがある場合、引き抜く際に強い張力がかかり、ワイヤーがクレーンから外れた反動で作業者に跳ね返る危険性がありました。これは、重大な人身事故につながるおそれのある安全上の課題でした。この課題に対し、使用できなくなったバッテリー式高所作業車の走行装置(電動駆動部)を再活用し、クレーンワイヤーの抜き取りおよび巻き取りを電動で行える、「クレーンワイヤー交換治具」を設計・製作しました。
「クレーンワイヤー交換治具」は、土台と駆動部をアームで連結し、駆動部を吊り上げられる構造です。作動時には、吊り上げられた駆動部の自重がワイヤーに適切なテンションを与え、作業者が手動で力をかけ続ける必要がなくなりました。クレーン操作と治具の操作を一人で連動させて行うことができ、抜き取りから巻き取りまで一連の作業を単独で完結できます。ワイヤーにテンションをかける作業者が不要になったことでワイヤーの跳ね返りによる事故のリスクがなくなりました。さらに、新しいワイヤーの巻き取り途中の乱巻に対し、テンションを維持しながら巻き直しが可能になりました。
建荷協「考案賞」は、特定自主検査に係わる労働災害の防止および品質・能力向上に役立つ作業 改善や検査技術、機器等の考案を推奨し、特定自主検査制度の意識高揚を図ることを目的としています。「金賞」、「銀賞」、「努力賞」、「参加賞」が授与されます。
なお、昨年の受賞に引き続き、今回で4年連続の考案賞の受賞となりました。
※1 ワイヤーが巻き順のズレや、たるみなどにより、きれいに整列せずバラバラに巻かれている状態
※2 ワイヤー(ケーブル)の先端部分
■考案概要
| 名称 | クレーンワイヤー交換治具 |
|---|---|
| 動機 | クレーンワイヤー交換の際、古いワイヤーを抜き取るために2人作業をする必要があった。(クレーン操作者1名、ワイヤー引き出し作業者1名) 操作者がゆっくりとクレーン下げ操作を行い、作業者が常にワイヤーにテンションをかけながら抜かないとワイヤーがクレーンドラムで乱巻し、機械の破損や大幅な作業時間の延長に繋がっていた。 |
| 内容 | リフト装置が使用不能となったバッテリー式高所作業車の走行装置を用いて電動によりクレーンワイヤーの抜き取り・巻き取りを行える治具を作成したことでクレーンワイヤー交換作業を全て1人作業で行えるようになった。 また、ワイヤー引き抜きの際、ワイヤーエンドに曲がりがあることで強く引っ張られており、クレーンからワイヤーエンドが抜けた際に、反動で作業者に対してワイヤーエンドが飛んでくる危険性があったが、治具を使用することで作業者がワイヤーに近付かなくなったため事故のリスクが消えた。 さらに、以前作成した治具では出来なかった新しいワイヤーの巻き取り途中の乱巻に対し、テンションを維持しながら巻き直しが出来るようになった。 |
| 効果 | 改善前:ワイヤー抜き取り作業時間 1,680秒(2人作業) 改善後:ワイヤー抜き取り作業時間 545秒(1人作業) 効果:1,680秒×2人-545秒=2,815秒(約46.9分)の工数改善 (ワイヤー巻き取り作業時間は前回作成治具と同等だが、テンションをかけての巻き直し機能が追加された) |
■考案内容


▼公益社団法人 建設荷役車両安全技術協会ホームページ
http://www.sacl.or.jp/invention/
■本件に関するお問い合わせ先
株式会社アクティオ 広報部 担当:成澤、吉田
TEL:03-6262-7867
メールアドレス:koho@aktio.co.jp
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